Blogブログ
2022.07.01|マーケティング
ベンダーへの発注時に失敗しないためには?
Webディレクターに聞いてみた【前編】
プロジェクトで陥りがちな問題について、ずばりWebディレクターの本音は?
近年ではWebでの接点が多くなったため、以前にも増してデジタル施策に注力する企業が増え、Webマスターの業務はより幅広くなってきているようです。
「通常業務で余裕がない。しかし、新たな打ち手を展開し続けなければ計画を達成できない。」といった手いっぱいな状況であれば、信頼できるベンダーと二人三脚で取り組むことで、より結果につながるアウトプットになるうえ、一部業務を委託することで新たな施策にも着手することができるでしょう。
一方でパートナーとなりうるベンダーへの相談時に、
- 思うようにスムーズな進行ができない
- 担当者とうまく意思疎通ができない
と困ったことはありませんか?そこには何か原因があるかもしれません。
今回は、クライアントのデジタル施策の支援を行う弊社のWebディレクターにアンケートを行いました。回答結果から、スムーズにプロジェクトを進行するためのヒントが見えるかもしれません。ぜひ、参考にしてみてください。
質問:これまでクライアントからの依頼で困ったことと、その対策は?
アンケート結果
アンケートの回答結果
1位:依頼内容の規模と予算が割に合わなかった
- クライアントの希望金額と、実際の見積もりに大きな金額差があるケースは度々起こる
- 見積もりを出すための調査など、開発準備にも工数がかかる点について、予算感が折り合わない
予算内に収まる最善策を決める
両者の間に、依頼項目と発生する工数の認識にズレが発生したために、予算の行き違いが起こります。
対策として「丁寧に説明したうえで、できるだけクライアントの希望を叶えるべく、工数を調整し最低限できることや、低予算でできることをしている」というWebディレクターの声がありました。ギャップを埋めていくために、実現したいことをお話いただけると着地できるかもしれません。
2位:発注要件が明確ではなかった
- やりたいことはあるが、掘り下げてみると方針やコンセプトが曖昧
- ご要望がぼんやりしていたり、なんとなくしか決まっていなかったりする
Webディレクターとのコミュニケーションで明確化
ヒアリングを重ね、要件定義の会議を丁寧に行うことで解決しているWebディレクターが多いようです。ご要望が不明確でも、Webディレクターと壁打ちをすることではっきりしてくるのではないでしょうか。
2位:クライアントがプロジェクトの管理をしきれていないようだった
- 関係者の意思統一ができていない、判断軸が揃っていないことがある
- クライアントがコントロールできていないとスケジュールや進行が遅れることも
フレームワークで社内調整のサポート
プロジェクトの成功にも関わるプロジェクトマネジメントについて、Webディレクターからは「目的やゴールという上流部分に立ち戻り、意思決定の軸を定める」「関係者全員でカスタマージャーニーを策定し、社内調整のサポートをする」などの対策が挙げられました。Webマスターのパートナーとしてフォローを行っているようです。
2位:契約時とは異なる依頼が来てしまった
- 追加で確認する要件がどんどん出てくるため、スケジュールに余裕がない案件だとタイムロスにつながって困ってしまう
- 契約書に作業範囲を記載し、ご説明もした後に契約外の依頼が来る場合があり、困ることがある(予算がカツカツの場合に発生するような気がします…)
双方の誤解が生じないための事実確認
受発注側の両社でスコープの認識が異なるとスケジュールにも影響が出てしまいます。
Webディレクターは、契約外である事、自分たちも予算・スケジュールが厳しい点を説明したり、複雑な要件になりそうであれば、追加作業が発生しないよう議事録などのエビデンスや確認事項を社内外で共有できるシートにまとめたりなど、事実関係を整理し、書面として残すように対応しているようです。
3位:クライアントとうまくコミュニケーションが取れなかった
案件の性質にも左右されますが、クライアントからの一方的なコミュニケーションになってしまうと、我々が持っているプロとしての知見もなかなか情報提供しづらいです。
逆にそれ以外の課題は、対等なコミュニケーションを取ることができればディレクション・プロデュースの範囲で貢献できます。
最善のコミュニケーション方法を提案
受発注側双方の信頼関係がなくては、コミュニケーションが取りづらいかもしれません。
Webディレクター側は、ヒアリングを重ね、どのような人とコミュニケーションを取りたがっているのか、どのようなやり取りの仕方を望んでいるのかなどを理解することで、Webマスターのやりやすい方法に合わせていこうとしているようです。
また、コミュニケーションロスは、お互いの理解に齟齬があることで発生します。文面だけではなく、イメージ図を交えて誤解ポイント潰すようにしているWebディレクターもいました。
4位:スケジュールの設定が曖昧
発注要件が明確ではない、スケジュールがタイトであるというのは、だいたいどの案件でも発生してしまう。
無理のないスケジュールを議論
工数とスケジュールの兼ね合いについては、割とどの案件でも当てはまってしまうようです。 Webディレクターは「現状をヒアリングし、こちらから提案していくことでクリアにする」ことで解決してきたため、スケジュールに不安がある場合はご相談いただくことで打開策が見つかるかもしれません。
4位:過去に対応したことがない専門外の依頼が来た
影響範囲が小規模だとまだいいですが、システムの根幹にかかわる内容は様々なチームに多くのことを確認して進める必要が。調査の結果、お断りすることも。
社内共有で事故防止
一つの依頼が実は多くの関係者を巻き込むタスクの可能性もあります。
Webディレクターも誰でも見られるように、よくある質問やイレギュラー対応が必要なことはドキュメントにまとめて社内で共有し、トラブルをあらかじめ防いでいるようです。
前編まとめ
数々のプロジェクトを経験してきたWebディレクターへ是非ご相談を
Webディレクターの対策では「ヒアリング」というワードが多く登場しました。「社内の意見がまとまらない、自分で設定した目的・目標に対する不安」などのクライアントの声は、実はWebディレクターにとってよく聞く悩みでもあります。
もし、Webディレクターに依頼する際にこのようなお悩みがあった場合は、他の案件でも乗り越えてきたので是非相談してみてください。費用と労力をかけるプロジェクトを成功させるために、全力でサポートしていきます。
Webディレクターは「考えること」を代行しているプロなので、
プロならではのアイデアを持っている
「クライアントの要件が明確でない」との回答に矛盾してしまうかもしれませんが、発注の際は要件を固めすぎないこともポイントです。ただし、フィードバックは具体的にもらえるとすり合わせやすいです。
参考となる事例(サイト、動画、雑誌など)があるとWebディレクター側はイメージをくみ取りやすくなり、より品質の高い再提案のアウトプットを受け取れるかもしれません。
前編は、クライアントからの依頼で困ったこととその対策についてWebディレクターの声をまとめました。
後編では、以下についてご紹介いたします。
- ベンダー側が考える、発注時にクライアントへお願いしたいこと
- 失敗しないベンダーの選定方法