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2022.12.23|インフラ

クラウドへの回線障害による業務停止を回避!
回線冗長化の構成と種類とは

クラウドへの回線障害による業務停止を回避!回線冗長化の構成と種類とはクラウドへの回線障害による業務停止を回避!回線冗長化の構成と種類とは

閉域網接続や専用線の導入により、運用負荷の軽減やセキュリティリスクの回避につなげることができますが、その回線自体もリスクの一つとして考える必要があります。例えば、回線障害による作業の停止で業務が滞ると、顧客へのサービス提供もままならず、企業の価値損失にもつながります。

今回は、このような事態を回避する通信の十分な継続性の設計、クラウドの回線冗長化について説明いたします。

1.回線冗長化とは?近年迫られる必要性について

システムのクラウド移行が加速している中、安定した通信環境を構築しなければ、回線障害が発生した際にシステム停止に追い込まれることにもなりかねます。よって、回線自体の冗長化(二重化)によってシステムの信頼性を向上させる取り組みが必須となります。

「回線障害の発生頻度は少ないため、通信環境の冗長化(二重化)まで考える必要はないのでは」と思われるかもしれませんが、昨今の膨大化し続けている通信トラフィックの対処による設備増強などで、回線キャリア様でも障害や回線メンテナンスが頻発しています。
さらに、クラウド側でも年に数回リソース側のメンテナンスになると通信断の状態となります。

1本(単体)での接続には常に通信断が発生する可能性がつきまとい、常時通信を要望する場合は回避策を検討しなければなりません。そこで、クラウドの回線冗長です。

信頼性向上の対策で難しい「どこまでコストをかけるか」という問題がありますが、回線自体のコストとしては、閉域網接続<専用線接続となりますので、できる限りコストを抑えるべく、閉域網回線接続での冗長化(二重化)方法をご紹介いたします。

単体回線と冗長化回線のイメージ 単体回線と冗長化回線のイメージ

2.冗長化の種類

以下3種類についてそれぞれ解説していきます。

  1. アクセス回線の冗長
  2. アクセス回線+閉域網での冗長
  3. アクセス回線+閉域網かつ異経路での冗長
  • ※アクセス回線とは、お客様拠点と閉域網を接続する光回線のことです。
  • ※閉域網の入り口からクラウドまでの通信環境は、全て冗長となります。

① アクセス回線の冗長

閉域網からのアクセス回線を二本敷設(正副化)することで、物理回線の断線時でも接続性を担保。

アクセス回線の冗長 アクセス回線の冗長
メリット
回線を冗長化(二重化)することで全ての経路が冗長(二重)環境となり、比較的安価に信頼性の向上が図れる。※一部区間では論理的冗長
デメリット
アクセス回線を収容している通信キャリアの局舎、および閉域網を構成している通信キャリアの拠点で天災などの災害が発生した際には通信停止となってしまう。

② アクセス回線+閉域網での冗長

閉域網をそれぞれ別のキャリアへ接続することで、閉域網ダウン時にも接続性を担保。

アクセス回線+閉域網での冗長 アクセス回線+閉域網での冗長
メリット
閉域網を冗長化(二重化)することで全ての経路で物理的にも冗長(二重)環境となり、パターン①より信頼性の向上が図れる。
デメリット
アクセス回線を収容している通信キャリアの局舎に天災などの災害が発生した際には稼働停止となってしまう。

③ アクセス回線+閉域網かつ異経路での冗長

アクセス回線および閉域網をそれぞれ別のキャリアへ接続することで、アクセス回線や閉域網のダウン時にも接続性を担保。

アクセス回線+閉域網かつ異経路での冗長 アクセス回線+閉域網かつ異経路での冗長
メリット
クラウドまでの経路を完全に分離した通信環境にすることで全ての通信環境における物理冗長(二重化)を担保。
デメリット
完全物理冗長(二重化)によるため、シングル環境の2倍以上のコストが発生。

3.冗長化のメリット・デメリットは?

冗長構成は、迂回経路のみの利用ではもったいないという方もおられるかと思います。
クラウドでは基本的に冗長化した場合、2本とも通信利用するアクティブ・アクティブ(ロードバランス)を基本とする構成が基本となります。

契約回線や利用形態に応じて、アクティブ・スタンバイ構成の片寄せの通信にするなど、利用に応じて変更することも可能です。費用が気になる場合は、アクティブ・アクティブの構成で、1本の時の契約帯域から半分程度に変更して冗長化することでコスト削減も可能でしょう。
仮に1本の回線に障害が発生した場合でも、帯域は半分ですが完全な通信断からの機能停止を阻止します。

このように冗長化はコスト的なデメリットもありますが、コスト以外の部分でメリットもあります。

4.ラストワンマイルの検討を

冗長化をお考えの方は更に検討が必要な区間として、キャリア様の局舎部分となります。
クラウドへの通信経路の確保はキャリア様の経路となりますが、キャリア選択時にあまり考慮しないで契約すると、通信を引き込む回線が同じ局舎内の装置に引き込まれるお話をよく聞きます。

その場合、通信キャリア様で局舎障害が発生した際、せっかく冗長された経路も回線の引き込みが同じ局舎内となっているため2回線とも障害影響を受けてしまい通信が全断になってしまいます。

このような事態を避けるため、冗長化を検討する場合はラストワンマイル(通信接続を提供する最後の区間)まで考慮する必要があります。

5.クラウド内トラブルへの対応は?

クラウドへの接続について冗長の必要性は以上ですが、その他、クラウド内での冗長なども気にかける必要があります。

クラウド内でも、2021年9月にAWSでダイレクトコネクトの大規模障害が発生しました。復旧まで最大6時間ほどとなったこの障害は、東京リージョンで被害が出たため、いくら回線を冗長化しても同リージョン内に収容されていると意味が無くなってきてしまいます。

このように冗長性の検討は、リスクを分散させるために回線に限らずシステム、リージョンをまたいで構成するなどの備えが必要となります。

6.最後に

サービス継続を念頭に障害発生時の検討を行うと様々な点を冗長化する必要があり、かつ膨大なコストがかかってしまいます。必要に応じて障害が発生する可能性や最適なコストをかけて冗長化し、上手く制御・運用管理していきましょう。

弊社は、クラウド専任者はもちろんのこと、So-netのISP提供で培って来たネットワークの知識が豊富なエンジニアや複数の回線事業者のお付き合いがございますので、クラウドからお客様への回線提供までトータルに提案、サポートが可能となります。また、AWSとの接続テストが可能なラボ環境もご準備しています。

もし詳細をお聞きになりたい方は、お問い合わせいただけましたら担当者よりご連絡します。

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