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サイトの運用負荷を削減しながら、海外展開を強化

事例|住友金属鉱山株式会社 様

「X-MINING」サイトリニューアルプロジェクト

課題

  • オンプレミス環境における自社運用負荷の増大
  • 既存のCMSに起因するセキュリティリスク
  • 海外からのアクセス拡大に向けたドメイン切り分け

効果

  • 運用工数の大幅削減とセキュリティ対応負荷軽減
  • 表示速度の改善
  • 海外からのアクセス数やコンバージョン数の増加

ポイント

  • Webサイト制作に関わる項目のメリット・デメリット含めた知見に基づく支援
  • ソニーグループの高いコンプライアンス意識に基づいた設計
  • システム面からデザイン面まで各種要件を盛り込みつつ、サイト全体の最適化に取り組む柔軟な対応力

概要

資源、製錬、材料という3つの事業を連携させながら「世界の非鉄リーダー」を目指す住友金属鉱山株式会社様。材料事業を担う機能性材料事業本部が2020年に立ち上げた情報発信サイト「X-MINING(クロスマイニング)」では、同社が長年積み上げてきた独自の技術と材料製品の力を広く伝えることで、新たなパートナーと出逢い、互いのアイデアを“共創”(クロス)させながら、新たな価値を“掘り起こす”(マイニング)ことを目的としています。

サイト運用をしていくなかで、オンプレミス環境での運用負荷、セキュリティリスクが課題になっていたことに加え、海外からのアクセス数を増やすためのドメイン切り分けも検討していました。X-MININGのリニューアルとともにCMSを含むインフラを一新したプロジェクトについて、その全貌と効果についてご紹介します。

ご担当者様

住友金属鉱山株式会社
機能性材料事業本部 イノベーション戦略統括部
大川内 雄一郎 様

きっかけ

リニューアルを機に、守りから攻めのサイトへ

― 今回、Webサイトリニューアルを検討したきっかけを教えてください。

X-MININGの立ち上げ当初からオンプレミス環境で運用してきましたが、OSやミドルウェアのアップデート、それにサイバー攻撃に対するセキュリティ対応など、すべて自社で行う必要があり、大きな負荷となっていました。さらに利用していたOSのサポート終了により、システム環境の見直しに迫られました。

サーバー環境に課題があっただけでなく、当時利用していたCMSでは、セキュリティ対策に大きな工数をとられていたため、どうにか解消したいという考えもありました。

また、もっと積極的にグローバルに訴求していくための布石として、gTLD(.com)ドメインへの切り分けを考えていました。当社は「SOLAMENTⓇ」という太陽光をコントロールする素材のブランドを立ち上げ、海外の展示会に出展したり、海外に向けた広告を出稿したりするなど、海外展開を強化しています。このような活動の受け皿としてもX-MININGを活用していますが、同一ドメイン内でほぼ自動翻訳の多言語ページをミラーリングで運用していたので、将来的にはドメインの切り分けによってサイトの信頼性を高め、UI/UXもグローバルに最適化し、全体の2割ほどだった海外からのアクセスを3割以上に増やすという狙いもありました。

選んだ理由

サイト移行や法令遵守に関する豊富な知見と長期的な支援

― 今回のリニューアルにあたり、数あるパートナーの中からソニーネットワークコミュニケーションズをお選びいただいた理由を教えてください。

まず必須条件として、サイトの環境移行について豊富な知見と実績を兼ね備えていること。クラウドサーバーに移行して、リニューアル後の保守運用もお任せしたいと思っていましたので、そうしたニーズに長期的に応えていただけるかという点も重視しました。

また、社内の担当者が変わっても運用に支障が出ないよう、システム構成などをきちんとドキュメント化して、属人化しない体制構築にご協力いただけることも重要でした。この点に対応してくださる会社は、ソニーネットワークコミュニケーションズのほかに、あまりありませんでした。

さらに、当社は法令遵守を非常に重視しています。欧州のGDPR対応やセキュリティ対策も含め、コンプライアンスに配慮した設計に関しても、ソニーグループが定める高い水準に基づいて相談に乗っていただけた点も、大きな評価ポイントでした。

加えて、CMSを乗り換えるにあたって、新しい環境に精通したパートナーであるソニーネットワークコミュニケーションズにお願いすれば間違いないだろうという期待もありました。

プロジェクト内容

柔軟な対応力で課題を一つひとつクリア

― プロジェクトの進行にあたり、ご苦労された点はありましたか?

今回のリニューアルの目的は社内でもしっかりと共有していましたが、具体的な実行内容を理解してもらうのには時間を要しました。
また、システム面では専門的な検討項目が数多くあり、我々X-MININGチームの担当者だけでは判断がつかないこともあり、情報システム部門の支援も受けながら、一つひとつ調査や理解を重ねていきました。

あとは、サーバーのサポート終了が迫っていたこともあり、限られた時間の中でプロジェクトを進めなければなりませんでした。その中でもやりたいことは次々と出てきて、あれもこれもと要件を追加してしまったのですが、ソニーネットワークコミュニケーションズに短期間で柔軟に対応していただいたおかげで、無事に完遂できました。

全体最適の視点からの包括的な支援

― プロジェクト進行中のソニーネットワークコミュニケーションズの対応について、特に印象的だったエピソードがあれば教えてください。

CMSを変更したいということは決めていたものの、オンプレミス版とクラウド版のどちらにすべきなのか、といった辺りの知見が乏しく、率直に相談しました。すると、それぞれのメリット・デメリットを非常にわかりやすく示していただき、しっかりと違いを理解したうえで選択することができました。

またCMSのデータを移行する際には、すべてのページを洗い出して、一つひとつドキュメントで確認しながら、丁寧に進めていただきました。さらに、UI/UXやSEOといった部分で悩んでいたときにも、多角的にアドバイスをいただき、システム面からデザイン面まで「Webサイト全体を最適化するにはどうすれば良いか」という観点で包括的にご支援いただけたと感謝しています。

導入後の効果

運用工数がほぼゼロになり、時間の使い方も変化

― リニューアルによって、どのような成果が得られましたか?

大きな成果として実感しているポイントが3つあります。1つ目は、運用工数を大幅に削減できたことです。クラウド環境にしてインフラ面の運用はソニーネットワークコミュニケーションズにすべてお任せできるようになったので、以前は四半期ごとに0.5人月はかかっていたインフラ運用工数が、ほぼなくなりました。セキュリティ対応からも解放され、アクセス解析や次のコンテンツ企画といった本来の業務に注力できるようになっています。

2つ目は、表示速度の改善です。以前はCMSの仕様上サーバーの負荷が高く、どうしても表示速度が遅くなり、GoogleのPageSpeed Insightsのスコアも推奨基準を満たせていない状態でした。しかし、CMSを一新するとともにインフラ面を見直し、さらにCDNを利用することで速度が向上し、推奨基準をクリアできるようになりました。社内からも「速くなった」という声が上がっています。

3つ目は、海外からのアクセス数やコンバージョン数の増加です。GDPRの関係で正確なアクセス数は測りきれておらず、他の施策も行っているので純粋なサイトリニューアルだけの効果とは言い切れないのですが、以前と比べて明らかに増えています。元々当社のサイトは海外からのお問い合わせの質が高く、しっかりと商談につながるケースが多いため、リニューアルによってユーザビリティが上がり、ドメインの切り分けによってサイトの信頼度が向上した効果も少なからずあるのではないかと見ています。

今後の展望

情報発信の幅を広げ、サイトの信頼を高めた先にあるもの

― リニューアルを経て、今後X-MININGをどのように進化させていきたいとお考えですか?展望をお聞かせください。

X-MININGを立ち上げた当初は、機能性材料事業で取り扱っている粉体材料・結晶材料・パッケージ材料の3つの中で、主に粉体材料を取り上げていたこともあり「情報発信で共創を促す」という新しい取り組みが、社内ではまだ十分に理解されていませんでした。しかしリニューアル以降、徐々にX-MININGで扱う情報の範囲がどんどん拡大しており、いまでは機能性材料事業だけでなく、研究開発部門からの要請を受けるなど、我々の事業本部以外の情報発信にも取り組み始めています。

こうした広がりを持てるようになったのも、X-MININGの有用性が高まり、運用にも余裕が生まれたからです。昨今では、ステークホルダーの方々と経営層の会話の中でX-MININGのことが話題になるなど、社内外で注目される存在になってきているように感じます。

今後は、海外に向けた情報発信をさらに強化していき、ゆくゆくは住友金属鉱山全体の事業領域をカバーする「共創サイト」として発展させていきたいと考えています。

弊社担当からのコメント

営業 | Takayanagi

OSのEOL対応やセキュリティ強化といった喫緊の課題に対し、単なる環境移行にとどまらない『Webサイト全体の最適化』に向けた包括的なご提案をさせていただきました。要件整理の段階から導入後のフォローに至るまで、お客様との密なコミュニケーションによる相互理解がスムーズな立ち上げの最大の要因だと感じております。今後は安定稼働を支えるだけでなく、効果検証と改善提案を継続し、更なる活用をご支援してまいります。

ディレクター | Oshima

限られた時間の中で多くのご要望にお応えする必要があり難易度の高い進行でしたが、「納期遵守」と「品質担保」の両立に徹底してこだわりました。単にシステムを載せ替えるだけでなく、移行プロセスで発見した旧サイトの潜在的な課題もあわせて解決し、Webサイトの健全性を高めることに注力しました。結果として単なる移設にとどまらない貢献ができ、仕上がりにご納得いただけたことを、担当として何より嬉しく感じております。

Outline

クライアント
住友金属鉱山株式会社 様
業種
製造
従業員数
連結 7,402名(2025年3月時点)
課題
Webサイトを作りたい
提供サービス
CMS導入 | Webサイト運用
プロジェクト期間
8か月

提供サービス

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