2026.10.14|ニュース
AIに選ばれる会社になるには?
AEO(回答エンジン最適化)の基本とSEOとの違い
ひとつ前の記事の、「『検索してサイトを見る』が変わる?AI時代に企業のWebサイトが今やるべきこと」では、AI検索が広がり、企業のWebサイトの見られ方が変わりつつあることを紹介しました。この変化は、BtoBの購買検討にも表れています。
弊社では2026年9月に、「AI時代に選ばれ続けるためのブランド&成長戦略〜AEO(回答エンジン最適化)の最前線と、自社データ×AIでブランド価値を高める業務活用〜」セミナーを開催しました。
そこでは、HubSpot Japan株式会社の岩倉様をお迎えし、AEO(回答エンジン最適化)の最前線を解説いただきました。
本記事ではセミナーの内容を元に、AEOの基本とSEOとの違い・取り組みの始め方を解説します。
AI検索で、BtoBの購買行動はどう変わっているのか?
「上位表示」から「AIに推奨される」へ
従来は、Googleで検索し、検索結果のリンクを順に開いて比較するのが一般的な流れでした。
そのため、成果を上げるには検索結果で上位に表示されることが重要でした。
一方で現在、ChatGPTなどの回答エンジンに質問すると、回答エンジンは質問者に合わせたおすすめを示します。
その時点で、候補はすでに絞られています。
岩倉様は、成果を左右する条件が、検索で上位に表示されることから、AIに推奨されることへ移りつつあると話しています。
調査データに見る変化
この変化は、調査の数字にも表れています。
出典:HubSpot Japan株式会社『HubSpot年次調査:日本の営業に関する意識・実態調査2026』(2025年10月30日〜31日調査/2026年2月27日公表・調査委託先 株式会社マクロミル)
HubSpot Japanが買い手515名を対象に行った調査では、購買検討時に生成AIを使ったことがある人は36.7%でした。
さらに、使った人の52.4%が、AIで得た情報をきっかけに当初検討していなかった製品を候補に加えたと回答しています。
生成AIの活用目的は「自身の課題・ニーズの整理や言語化」が最も多く、「商品・サービスやベンダーに関する情報収集」「候補となる商品・サービスやベンダーのリストアップ」が続きます。購買プロセスの入り口で、AIが使われていることがわかります。
AEO(回答エンジン最適化)とは?SEOとの違いは?
AEO(Answer Engine Optimization:回答エンジン最適化)は、ChatGPTやGemini、PerplexityなどのAIの回答の中で、自社のブランドや製品を正しく認識・推奨してもらうための取り組みです。
SEOとAEOは何が違うのか?
目指す状態も、評価の手がかりも異なります。
| 観点 | SEO(検索エンジン最適化) | AEO(回答エンジン最適化) |
|---|---|---|
| 目指す状態 | 検索結果で上位に表示される |
AIの回答の中で推奨・引用される |
| ユーザーの行動 | 検索し、リンクをクリックして比較する |
AIに質問し、推奨を受け取ってからサイトを訪れる |
| 評価の手がかり | 検索キーワードに対する自社ページの内容 |
自社サイトの発信と、外部メディアやSNSでの取り上げられ方がそろっているか |
| 確かめる指標 | 検索順位・流入数 |
AIの回答での表示状況・引用元・競合との比較 |
出典:HubSpot Japan株式会社 岩倉様のセミナー内容を元に、SEO側の記述は弊社で補って作成
AIはどの情報源を参照しているのか?
AIは、自社サイトだけでなく、外部メディアの記事やSNSなど、複数の情報源から情報を集めて推奨内容に反映します。
AI検索の可視化ツールを提供するXFunnel社が、4万件のAIの回答と25万件の情報源を分析した結果でも、ChatGPT・Gemini・Perplexityのいずれにおいても、第三者のサイト(編集記事やアフィリエイトサイトなど)からの引用が最も多かったと報告されています(同社が作成した質問による分析)。
出典:XFunnel『What sources do AI Search Engines cite? Analysis of 40k responses and 250k sources』(2025年2月公開)自社サイトはどんな役割を持つのか?
岩倉様は、外部の情報源が多く参照されるからといって、自社サイトの重要度が下がるわけではないと説明しています。
自社サイトで、自社や製品をどう見てほしいかを発信していなければ、AIに評価される材料そのものがありません。
自社サイトで訴求しているポイントが、外部メディアやSNSでも同じように取り上げられているか。
この「情報源の間での評価の一貫性」を高めることが、AIの回答に引用されるための条件になるとされています。
AEOは何から始めればいいのか?
まず「自社が伝えたいこと」と「AIの認識」のギャップを特定し、自社サイトのコンテンツ、外部での発信、見込み客の育成へと順に進めます。
セミナーでは、この流れを次の4ステップにまとめてご紹介しました。
AEOの進め方4ステップ
❶
可視性の
ギャップを
特定する
AIの回答で自社ブランドがどう表示・引用されているか、競合と比べてどうかを把握し、改善すべき点を明らかにする
❷
自社サイトで
コンテンツを作る
ギャップを元に、ブログ記事などの新しいコンテンツを作ったり、既存のコンテンツを更新したりする
❸
ソーシャル
チャネルで
発信を広げる
AIが参照しているSNS上の会話に参加したり、投稿したりして、自社の訴求を外部にも広げる
❹
購買意欲の高い
見込み客を
顧客につなげる
AI経由で訪れた見込み客をスコアリングして振り分け、適切なコンテンツで関係を深める
可視性のギャップを特定する
AIの回答で自社ブランドがどう表示・引用されているか、競合と比べてどうかを把握し、改善すべき点を明らかにする
自社サイトでコンテンツを作る
ギャップを元に、ブログ記事などの新しいコンテンツを作ったり、既存のコンテンツを更新したりする
ソーシャルチャネルで発信を広げる
AIが参照しているSNS上の会話に参加したり、投稿したりして、自社の訴求を外部にも広げる
購買意欲の高い見込み客を顧客につなげる
AI経由で訪れた見込み客をスコアリングして振り分け、適切なコンテンツで関係を深める
4ステップの最後は、認知ではなく顧客化です。
セミナーでは、Webへの訪問、リードの創出、取引の件数まで追いかけることで、AEOを売上に結びつけられると説明されました。
セミナーでは、HubSpot AEOの機能を画面キャプチャーを交えて詳しくご紹介しています。
AEOだけでは足りない:自社データ×AIで成果につなげる
AEOで訪問を増やしても、商談や成約に結びつかなければ成果にはなりません。
セミナー後半のテーマは、自社の顧客データという「文脈(コンテキスト)」をAIに与え、業務の実行と改善まで回す仕組みについて解説されました。
AIのアウトプットがしっくりこないのは、頭の中にある背景や意図、状況を十分に伝えられていないからだ、という説明です。
成果を出すための4つの要素と統制とは?
出典:HubSpot Japan株式会社 岩倉様のセミナー登壇資料を元に作成
知能×文脈×実行の3つが成果を生み、統制はその土台にあたります。
HubSpotは、大きな組織でAIを使ううえでは、セキュリティや各種ログといった統制の部分も含めて考える必要があるとしています。
CRMのデータとAIを組み合わせると、何ができるのか?
セミナーでは、顧客情報がCRMに集まっていることを前提に、次のような使い方をご紹介しました。
- 顧客のレコード画面でAIアシスタントに頼み、これまでの営業のやり取りを要約する
- 商談が特定のフェーズに入ったら、AIが分析して営業マネージャーに共有するワークフローを組む
- フォームから初めて問い合わせてきた企業について、AIがWeb上の情報を調べ、一次的なスクリーニングを行う
岩倉様はHubSpotでの例として、これまではCRMに入っていない情報は使えなかったのに対し、LLMを活用することで、足りない情報を外部から取得することも含めてAIエージェントが支援できるようになってきている、と説明しています。
自社がAIにどう見えているかは、どう確かめればいい?
冒頭で紹介した弊社ブログでは、「株式会社○○の強みは?」のように、社名を入れてAIに聞く方法を紹介しました。
AEOでは、それに加えて、社名を入れずに聞いた時に自社が候補に挙がるかも確かめます。ツールを導入する前でも、ChatGPTやGeminiで次の手順を試せます。
- 社名を入れずに、自社が選ばれたい場面の質問をする(例:「○○業界向けの○○に強い会社は?」)
- 回答に挙がった会社と、それぞれの紹介のされ方を書き出す
- 根拠として示された引用元のURLを控える
自社名が挙がらない質問や、引用元に自社サイトが出てこない質問が見つかれば、それが次にコンテンツを見直す候補になります。
よくある質問
セミナーで参加者から事前にいただいた質問への岩倉様の回答をまとめたものです。
Q SEO対策で手一杯です。AEOには新しい専門知識や、膨大な作業時間が必要ですか?
既存の体制で始められます。
作業の多くは、既存コンテンツの見直しや新しいコンテンツ作りで、SEOの延長で進められます。変わるのは切り口と、時間の割り当て先です。
Q ChatGPTやGeminiで調べると、競合の名前ばかりが挙がります。今からでも逆転できますか?
逆転は十分に可能です。
まずは、競合が選ばれている理由を分析します。
そのうえで、自社が評価されたい質問に合うコンテンツがあるか、情報が古くなっていないかを見直します。
競合との違いを自分たちで理解し、きちんと伝えることが欠かせません。
Q BtoBの中でもニッチな業種です。AEOに取り組む意味はありますか?
BtoBこそ取り組む必要があります。
HubSpot Japanの調査でも、買い手の36.7%が購買検討時に生成AIを活用したことがあると回答しています。
おわりに
弊社は「HubSpot Solutions Partner プログラム」のパートナーとして認定されています。
HubSpot AEOでの現状把握に加えて、下の「関連サービス」に挙げたWebサイト運用やCRM導入もあわせてご相談いただけます。
セミナーのアーカイブ動画では、HubSpot AEOの画面イメージや、事前にいただいた質問への回答をご覧いただけます。
自社がAIの回答にどう見えているかを確かめたい方、AEOをどこから始めるか相談したい方は、お問い合わせください。
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